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【妖怪】輪入道(わにゅうどう)は描きやすいキャラ?鬼太郎、地獄少女に登場

家・町

夜道を歩いていたら、突然、火の車がギラギラと光りながら目の前に現れたらどうしますか?

しかも、その車輪の真ん中には、なんと人の顔がついている!

目をむいてにらみつけてくるし、火を吹いてくるかもしれません。

 

これはただのホラーではありません。

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「輪入道(わにゅうどう)」という日本の有名な妖怪

 

ゲゲゲの鬼太郎をはじめ、地獄少女、仮面ライダー響鬼、手裏剣戦隊ニンニンジャー、鴉、朧村正などなど、たくさんの作品に登場しています。
物語に取り入れやすいキャラクターなんですかね。

 

この記事では、そんな輪入道の正体や不思議な力、どこで見られるのか、さらにはユーモラスでちょっと切ない物語までたっぷり紹介します。

怖いけど、どこかかっこよくて不思議な輪入道の世界、さっそくのぞいてみましょう!

妖怪 輪入道(わにゅうどう)とは

特徴

  • 夜の道に現れる、火の車のような姿
  • 車輪の中心に、大きな人間の顔がある
  • にらみつけられると、魂をぬかれると言われる
  • 子どもをさらうという伝説もある
  • 昼間は姿を見せず、夜にだけ出てくる
  • 京都などの古都で特によく語られる妖怪

プロフィール

項目内容
名前輪入道(わにゅうどう)
姿火をまとった車輪に人の顔がある
特徴にらみつける、魂をぬく、火を吹く
出現場所主に京都などの夜道
好きな時間
伝説地域京都、奈良、大阪など

輪入道について詳しく

輪入道(わにゅうどう)は、日本の古い町、特に京都で語りつがれている有名な妖怪です。

見た目はとてもインパクトがあります。

 

なんと火に包まれた大きな車輪に、人間の顔がついているんです。

その顔は大きく目を見開いていて、にらまれるとゾッとしてしまいます。

車輪はゴロゴロと音をたてながら道を転がり、時には空を飛ぶこともあるとか。

「片輪車(かたわぐるま)」って?輪入道の元になった?

輪入道(わにゅうどう)という妖怪には、もとになった「片輪車(かたわぐるま)」という別の妖怪がいるという考え方があります。

 

これは昔からよく知られている話で、特に京都の「一条戻橋(いちじょうもどりばし)」という場所では、夜に火の車のような妖怪を見たという言い伝えがいくつもあります。

 

片輪車は、江戸時代より前からある伝説で、輪入道とよく似た姿をしていたため、同じものだと考えられたり、輪入道が片輪車から生まれたと言われたりしています。


子どもの足をくわえる!?こわい話

ある昔話では、片輪車の中心に顔があり、その口には子どもの足がくわえられていた、というとてもこわい話があります。
 

これは、「悪いことをすると、こわい目にあうよ」とか、「親は子どもから目を離してはいけないよ」といった教えがこめられた怪談です。

 

江戸時代の本や、昔の村で語られてきた話にも、「子どもが夜に外に出たら、妖怪にさらわれた」など、似た話がたくさんあります。。


絵を描いた人・鳥山石燕(とりやませきえん)

江戸時代の絵師・鳥山石燕(とりやませきえん)は、妖怪の絵で有名な人です。
彼の本『画図百鬼夜行(がずひゃっきやこう)』には、「輪入道」は男の顔をした火の車として描かれています。
 

一方、「片輪車」は女の人が車に乗っているような姿で描かれていて、「男=輪入道」「女=片輪車」というように、ちがう妖怪として描きわけられています。

元は地獄の使い?

輪入道には、地獄から来た使いだという説もあります。

昔の地獄絵には、罪を犯した人が火の車にのせられて苦しむ様子が描かれていて、そこから生まれた妖怪とも言われています。

だから、悪いことをすると輪入道がやってくる、という怖い話になったのかもしれません。

実は武士だった?

別の伝説では、輪入道の正体は昔の武士だったという話もあります。

ある武士がとても悪いことをして、その罪のために死後、車輪の姿にされてしまったのだとか。

その武士の顔が車輪の中心にあらわれ、苦しみながら町をさまよっている…という切ない話です。

今でも会える?

京都などの伝説の地では、お祭りやイベントで輪入道の姿を見ることがあります。人形や演出で再現された輪入道は、迫力満点です!

また、アニメやゲームにも登場することが多く、現代でも人気のある妖怪のひとつです。


豆知識

  • 輪入道の顔は、時代や地域によってちがうと言われています。
  • 京都の一条通りでは「夜にのぞくと魂をぬかれる窓」があると信じられていました。
  • 英語では「Wanyūdō」とそのまま読まれることが多いです。
  • 妖怪の中でも、動きが速いことで知られています。
  • その火の車は「罪を焼く火」として地獄の象徴になっていることも。

出現する場所

輪入道の伝説が特によく語られているのは、京都です。

特に「一条戻橋(いちじょうもどりばし)」や「妖怪ストリート」と呼ばれる場所では、輪入道の像や飾りを見ることができます。

 

また、奈良や大阪など、古くからの町でも似たような火の車の妖怪の話があります。

夜道が暗くて危険だった時代、輪入道の話は町のあちこちに広まっていったのです。


輪入道が教えてくれること

ある日の物語

ある夏の夜、町のはずれにある細い坂道を、一人の少年・ユウトが歩いていました。昼間は暑くて外に出られなかったので、夜になってから探検に出かけたのです。

「この坂をのぼると、昔、妖怪が出たってじいちゃんが言ってたな…」
ユウトはちょっとドキドキしながらも、懐中電灯を片手に進んでいきました。

そのとき、突然、風が止み、まわりがシーンと静まりかえりました。虫の声も、風の音も、なにも聞こえません。

「……ん?なんだ、この音?」

ゴロ…ゴロゴロゴロ……

遠くから車輪が転がるような音が近づいてきます。ユウトは目をこらしました。暗がりの向こうに、赤く光る輪のようなものが見えてきます。ギラギラと燃えるような炎。そして…輪の中心には、目をカッと見開いた人間の顔!

「うわぁぁぁあああああああ!!」

ユウトはあわてて走り出しました。しかし、車輪のようなその妖怪は、道の上をゴロゴロと音を立てながら追いかけてきます。

「待て…逃げてもムダだ……」
その声は、ユウトの頭の中に直接ひびきました。輪入道のにらむ目と目が合ったその瞬間、ユウトはピタリと足を止めました。

「ひ、人間の子よ。なぜ、こんな時間に出歩いている?」

「ぼ、僕はただ、探検してただけで…!」

「ふん。昔の者たちは、夜に出歩くことの恐ろしさを知っておった…だが今の子は、夜の意味を忘れておるようだな」

輪入道の目がやさしくなったように見えました。

「今夜は見逃してやろう。ただし、これを伝えよ。『夜には、夜のルールがある』と…」

すると、輪入道の車輪はすぅーっと消え、静けさが戻りました。ユウトは息をのみ、ふらふらと家に戻りました。

それ以来、ユウトは夜道をひとりで歩くことはなくなりました。そして、夏の夜になると、近所の子たちに「輪入道に会った話」を語るようになったのです。


伝えたかったこと

昔の人は「夜の危険さ」を伝えたかった

輪入道の話には、「夜はむやみに外に出るな」という教えが込められています。

昔は今のように街灯もなく、夜になると本当に真っ暗。

道に落ちたり、川に落ちたり、悪い人に出くわしたりする危険がたくさんありました。

 

そんな時代に、「輪入道が出るぞ!」という話をすれば、子どもたちは怖がって家に帰るようになりますよね。これは、大人たちの知恵だったのです。

「悪いことをするとバチが当たる」という教え

輪入道には、「悪いことをした人間が地獄の罰として車輪になった」という伝説もあります。

つまり、「悪いことをすると、死んでから大変な目にあうよ」という警告です。

昔の人は、ただ怒るだけではなく、妖怪の話を使って、子どもや若者に「正しく生きることの大切さ」を伝えようとしたのです。

今も通じる「見えないルール」

今の時代は明るい夜道も増えて、夜に出歩くことも珍しくなくなりました。

でも、「危険なことに近づかない」という考えは今でも大切です。

 

SNSで知らない人とやりとりすること、深夜に出歩くこと、ルールを無視すること…。

輪入道のような妖怪は、そんなとき「本当にそれで大丈夫?」と、問いかけてくれているような存在かもしれません。

妖怪は「人間の心をうつす鏡」

輪入道をはじめ、昔から語られている妖怪たちは、人間の不安や願いが形になったものです。

誰かを守りたい気持ち、悪いことをやめさせたい気持ち、正しく生きてほしい気持ち…。

それらが、不思議でおそろしい妖怪となって語られたのです。だからこそ、妖怪の話には、ただの怖い話ではなく、人の思いがこめられているのです。


まとめ:輪入道(わにゅうどう)は描きやすいキャラ?鬼太郎、地獄少女に登場

  • 輪入道は、火をまとった車輪に人の顔がついた妖怪
  • 夜道に突然あらわれ、魂をぬくと信じられていた
  • 子どもを守るために語られた教訓的な存在
  • 元は地獄の罰を受けた武士という説もある
  • 京都を中心に伝説が多く残っている
  • 怖い見た目ながらも、夜の危険を知らせる存在
  • 昼間には出現せず、夜にのみあらわれる
  • 近年ではアニメや祭りでも登場して人気
  • 「夜には夜のルールがある」という教えを持つ
  • 妖怪は人々の心の不安や教訓が形になったもの

おわりに

輪入道という妖怪は、ただ怖いだけの存在ではありませんでした。

その姿には、昔の人々の思いや知恵がたっぷりと込められていました。

夜の危険を子どもたちに伝えるために、あるいは悪い行いをやめさせるために、人々は輪入道の話を語りついできたのです。

 

今では夜道も明るくなりましたが、見えない危険は今もたくさんあります。

輪入道は、そんな時代にも通じる「注意のサイン」を私たちに教えてくれているようです。

怖いけれど、どこか人間味があって、物語としても面白い輪入道。

 

もしまた夜道でゴロゴロという音が聞こえたら、そのときは輪入道の言葉を思い出してみてください。「夜には夜のルールがある」。

昔の妖怪が教えてくれることは、今を生きる私たちにも大切なことなのかもしれませんね。