首がびよ〜んと伸びる女の人

それが「ろくろ首」です
夜になると、人間の姿をしていた女性の首だけが、するすると長く伸びて、部屋の中や外をうろうろする
――そんな話を聞いたことはありませんか?
実はただの化け物ではなく、昔の人が「とあること」を戒めるために作り出した存在とも言われているんです。
いや~昔の人の発想力ってすごいと思いますよ!
そして、なんと!ろくろ首は「自分がろくろ首になると気づいていない」とか?
この記事では、ろくろ首の特徴や、どうしてこんな妖怪が生まれたのかをわかりやすく説明します。
読み終わるころには、あなたもろくろ首のことがすっかり好きになってしまうかもしれません。
首をなが~くして、お楽しみください!
大富豪のローカルルール「6を二枚出した時」は、なぜ「ろくろ首」というんだろうか??
妖怪 ろくろ首とは
特徴
- 夜になると首がびよ~んと伸びる
- 見た目は普通の人間と変わらない女性
- 首を伸ばして家の中を歩き回る
- 他人を驚かせたり、のぞき見したりする
- 自分がろくろ首だと気づいていないこともある
- 首が伸びるのは、魂が抜け出ているとも言われる
プロフィール
項目 | 内容 |
---|---|
名前 | ろくろ首(ろくろくび) |
種類 | 妖怪・変化(へんげ) |
特徴 | 首が伸びる、夜に変化する女性 |
出現時間 | 主に夜 |
出没場所 | 家の中、旅館、人が眠る場所など |
性格 | おとなしいが、少し気まぐれ |
ろくろ首について詳しく

首が伸びる不思議な妖怪
昼間はごく普通の女性に見えるのですが、夜になるとその姿が一変します。
体はそのまま、首だけが「びよ~ん」と信じられないほど長く伸びていくのです。
ときには、天井近くを漂っていたり、布団で寝ている人の顔をじーっとのぞきこんだりするという話もあります。
本人は気づいてない?
伝承によっては、ろくろ首本人が自分の正体にまったく気づいていないという話が多く残されています。
ある話では、ある宿屋で働いていた女性が、毎晩、首をのばしてお客さんの部屋を歩きまわっていたそうです。
でも、本人はそんなことをした記憶がまったくありませんでした。
文句を言ってきたお客さんがいたことで、はじめて「もしかして自分はろくろ首なのでは…?」と気づいたのです。
これは、今でいう「寝ながら歩いてしまう病気(夢遊病)」や、「自分の中に別の自分がいるように感じる症状(多重人格)」にも少し似ていて、人が自分でも気づかないうちに行動をしてしまう。
そんことを表している話とも考えられます。
ろくろ首はなぜ首が伸びるの?
昔の人たちは、首が伸びるという異常な現象を「魂が身体から抜け出している」ととらえていました。
特に、眠っている間に魂が体から離れると考える文化があり、それがろくろ首のイメージと重なったのです。
また、別の説では、「悪い行いをした女性が、その罰としてろくろ首に変わる」とも言われています。
たとえば、夫を裏切ったり、嘘をつき続けたりした女性が、やがてろくろ首になってしまうという物語です。
つまり、首が伸びるという奇妙な現象は、心の中にある「やましさ」や「後ろめたさ」が形となって現れたものだというわけです。
中には「呪われた血筋」や「妖怪に取り憑かれた結果」という説もあり、地域によってもさまざまな伝承が存在します。
見た目は美しい女性?それとも怖い顔?
ろくろ首は、多くの絵巻や物語で美しい女性として描かれています。
これは、人間の姿をしている妖怪の多くに共通する特徴です。
昼間は親切でやさしい人なのに、夜になると全く別の姿になる
――このギャップが人の心に強く残り、恐ろしさを引き立てます。
「人は見かけによらない」という言葉がありますが、まさにろくろ首はその象徴です。
顔がどんなに美しくても、その内側に何があるかはわかりません。
そんな「人間らしい存在」が、夜になると一変する
――誰にでも、昼と夜で違う顔があるように、ろくろ首は「人の二面性」を象徴する存在なのかもしれません。
豆知識
- 首が伸びている間、本人は夢を見ているような感覚で、朝になると覚えていないことが多い。
- 実は自分がろくろ首だと知らないまま生きている人もいるという伝説もある。
- 江戸時代には「ろくろ首見世物」があり、人形で首が伸びる様子を見せる興行が行われていた。
- 「ろくろ」は、物を回して削る道具のこと。首がくるくると回ることから名付けられたという説もある。
出現する場所
ろくろ首は、主に次のような場所で登場することが多いです。
- 古い宿屋や旅館:特に夜遅く、一人で泊まった人の前に現れるという話が多くあります。
- 古い家の中:特に和室やふすまのある部屋。夜になるとふすまのすき間から首がのびてくる話も。
- 山あいの村:昔からの言い伝えが残っている地域には、ろくろ首の目撃談が伝えられていることも。
たとえば、京都や飛騨地方では「首の長い女の妖怪」として、今でも語られることがあります。
ろくろ首が教えてくれること

ある日の物語
ある夜のこと。静かな山の中にある古い宿に、一人の旅人・信吉(しんきち)が泊まりました。
信吉は江戸からやってきた薬売り。昼間の疲れもあり、夕飯を食べたあとはすぐに布団に入りました。ふすまの向こうから聞こえる虫の声を聞きながら、うとうとと眠りに落ちたその時――。
「すー…すー…」
どこからか静かな息づかいが聞こえます。目を開けると、暗い天井のほうに何かが動いている…。
目を凝らすと、そこには「首だけ」の女性が浮かんでいたのです!
「わっ!」
思わず叫ぶ信吉。しかしその首は、ふすまの向こうからのびてきて、彼の顔をじっと見ているのです。
「……あなた、変わった夢を見ているのね」
その女性の首が、ゆらりと動いてつぶやきました。信吉は恐怖で固まりましたが、首はそれ以上何もせず、やがてスルスルと引っ込んでいきました。
朝になり、信吉が宿の女将(おかみ)にその話をすると、女将はうすく笑って言いました。
「うちの娘、時々、夜になると夢遊病のように歩き回るんです。あれ、誰にも言わないでくださいね…」
あの夜、信吉が見たのは夢だったのか、それとも本物のろくろ首だったのか…。今となっては、だれにもわかりません。
伝えたかったこと
本性は見た目ではわからない
ろくろ首は「昼間は普通の女性の姿をしている」という点。
つまり、誰がろくろ首かは見ただけではわかりません。
これはまさに「人は見かけによらない」ということを強く伝えているように思えます。
見た目は清楚で親切そうな人でも、実は夜になると別の顔を持っているかもしれない。
昔の人たちは、こうした「表と裏」の違いに敏感でした。
そして「人を見た目だけで判断してはいけない」「本当に信頼できる人かどうかは中身を見るべきだ」と教えるために、ろくろ首の話を語り継いだのではないでしょうか。
現代でも、SNSや写真など、見た目だけで人を判断しやすい世の中です。
だからこそ、このろくろ首の教訓は今でもとても大切だと感じます。。
嘘や秘密はバレる
昔の人たちは、「人をだましても、いずれは自分の行いが表に出る」「夜中に心の闇が顔を出す」と信じていたのです。
ろくろ首は、そうした“嘘や秘密が見えないうちに首を伸ばしてしまう”象徴でもありました。
現代においても、ネットでの匿名発言や、裏アカウント、隠しごとなどが問題になることがあります。
「見られていないと思っていたことが、実は誰かに知られていた」
――そんなことは、きっとあなたも経験があるかもしれません。
まとめ:ろくろ首は自分では気づいてない?やましい心が生みだす怖さ
- ろくろ首は夜に首が伸びる女性の妖怪
- 見た目は普通の人間だが、夜に変化する
- 首が伸びる理由は魂が抜けるからとも言われる
- 自分がろくろ首だと気づかない場合もある
- 昔は罪や嘘を持つ女性が変化すると信じられていた
- 見た目は美しい女性として描かれることが多い
- 古い宿屋や山村での目撃談が多い
- 首が伸びる夢を見たという話もある
- ろくろ首の話は人をだまさない教訓を含む
- 今も昔も、正直に生きることが大事という教えを持つ
おわりに
ろくろ首という妖怪は、ただの「こわい存在」ではありません。
昔の人たちが、夜の闇や人間の裏の顔、そして嘘や秘密への注意をこめて語った、大切なメッセージを持っている存在なのです。
この記事を読んで、「ただ首が伸びるだけじゃないんだ!」と感じてもらえたらうれしいです。
昔話や妖怪には、今の時代にも通じる教訓や知恵がたくさんつまっています。
そんな妖怪たちの物語を知ることは、きっとあなたの世界をもっと広げてくれるはずですよ。