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【妖怪】ダイダラボッチ 山を動かし湖を作る?『もののけ姫』のあの巨大な影

山林

「山が動いた!?」「湖を作ったのはあいつ!?」

そんなとんでもないウワサが飛びかう妖怪、それがダイダラボッチです。

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デイダラボッチと言われることも!

昔から日本各地で語られるこの巨人の妖怪、なんと歩いたあとに湖ができたり、土を持ち上げて山を作ったりと、スケールがケタ違い。

天より高く、雲の上からのぞきこむその姿に、村人たちはびっくり!

でも、ダイダラボッチはただの怖い妖怪ではないんです。

 

ジブリの『もののけ姫』では、シシ神が夜を迎えて巨大化してデイダラボッチになります。

妖怪ウォッチ』では、大きな山に芝生が乗ったような妖怪がいます。

もちろん『ゲゲゲの鬼太郎』にもでてきます。

知ってる人も多いのでは?

 

 

この記事では、そんなダイダラボッチの特徴や正体、どこに現れるのかなどを、面白おかしく紹介していきます。

さらに、昔の人たちがこの妖怪を通して何を伝えたかったのかも、しっかり解説しますよ。

読んだらきっと、あなたも「デイダラボッチに会ってみたい!」と思うはず。

妖怪 ダイダラボッチとは

特徴

  • とにかく大きい!山よりもでっかい体
  • 歩いたあとに湖や沼ができる
  • 土をかついで山をつくる伝説がある
  • 巨大すぎて姿はめったに見えない
  • 地域によって性格が違うことも
  • 子どもに優しいというウワサもある

プロフィール

項目内容
名前デイダラボッチ、ダイダラボッチ
種類巨人型の妖怪
性格おおらか、でも力が強すぎる
特徴巨大すぎて人間のスケールを超える
登場地域全国各地(特に関東・中部・関西)
関連する地形山、湖、沼などの自然地形

「ダイダラボッチ」について詳しく

ダイダラボッチとは何者?

ダイダラボッチは、古くから日本に伝わる巨大な妖怪です。

その大きさはとんでもなく、富士山と相撲をとったとか、日本列島をつくったなど、信じられないような伝説がたくさんあります。

でも、これがただの作り話ではなく、昔の人たちが自然の不思議を説明するために考えた「物語」だったとしたら…?

巨人が山や湖をつくった?

たとえば、茨城県にある「霞ヶ浦(かすみがうら)」という大きな湖。

ここには「ダイダラボッチが土を踏んでできた」という言い伝えがあります。

他にも、長野県の諏訪湖や、静岡の富士山の周辺にも、ダイダラボッチの足跡伝説があります。

山や湖などの自然の形は、むかしの人にとっては不思議なものだったので、「きっと巨大な誰かが作ったんだ」と考えたのでしょう。

 

ダイダラボッチのような妖怪の話が全国に広まった理由には、村人たちが「山がどうしてできたのか」「湖はなぜあるのか」など、自然のなぞをわかりやすく伝えようとしたからです。

昔は今みたいに地図もなければ、科学もなかったので、こうした「物語」を使って子どもたちに教えていたのかもしれません。

地域によってちがう姿

おもしろいことに、ダイダラボッチの伝説は全国各地にあるけれど、少しずつ姿や性格がちがいます。「デイダラボッチ」、「ダイダラ坊」と呼ばれることもあります。

ある地域では「いたずら好き」、別の地域では「山を守る守護神」のように言われています。

つまり、ダイダラボッチはただの妖怪ではなく、地域の自然や暮らしと結びついた存在なのです。

豆知識

  • 「ダイダラボッチの足跡」が本当に残っているとされる場所がある
  • 山や湖の名前に「だいだら」「ぼっち」などがつくことも
  • 妖怪なのに「神さま」とも呼ばれることがある
  • アニメやゲームにもよく登場する人気キャラ

出現する場所

ダイダラボッチは、全国各地に伝説がありますが、特に多いのは以下の地域です。

  • 茨城県:霞ヶ浦(足跡が湖になったという伝説)
  • 長野県:諏訪湖(湖を作ったという話)
  • 静岡県:富士山のまわり(山を持ち上げたという伝説)
  • 奈良県:大和三山(山を運んで並べたという話)

山が多くて自然が豊かな場所に多く伝わっているのが特徴です。

昔の人たちは、自然の力を「妖怪」や「神さま」のしわざだと考え、それを伝えるために物語を作ったのです。

ダイダラボッチが教えてくれること

ある日の物語

山のふもとに、タケルという元気な男の子が住んでいました。

タケルは自然が大好きで、毎日森を走り回ったり、小川で魚をつかまえたりして遊んでいました。

ある日、タケルはおじいさんから不思議な話を聞きました。

「この山の奥には、昔から大きなダイダラボッチが住んどるそうじゃ。山を背負って歩いたり、沼をつくったりするそうな。」

タケルは目をきらきらさせながら言いました。「会ってみたいな、ダイダラボッチ!」

その夜、タケルはこっそり家を抜け出して、山の奥へと足を踏み入れました。

月明かりの中、どこかで地面がドーン…と揺れた気がします。森の木々がゴゴゴ…とゆれ、大きな影が動いていました。

「だ、ダイダラボッチ……?」タケルの声はふるえていました。

そこに、空をふさぐほど大きな影が近づいてきました。真っ黒な影の中に、きらりと光る二つの目。そして、ふかくやさしい声がしました。

「こんな夜に、ひとりでどうしたのだ?」

タケルは驚きつつも、「あなたがダイダラボッチ? 本当にいたんだ!」と目を輝かせました。

巨人はうなずき、大きな手をそっと差し出しました。

「おまえは勇気があるな。だが、山は危ないこともある。気をつけねばならぬ。」

タケルは手のひらにのって空高く舞い上がりました。そこから見た景色は、山も川も村もすべて見えるすばらしいものでした。

「この景色…すごい!」とタケル。

ダイダラボッチは笑いました。「わしはこの自然が好きでな。こわがられることもあるが、守りたいだけなのだ。」

夜が明けるころ、ダイダラボッチはタケルを村の近くまで送りました。

「また会える?」とタケル。

「おまえが自然を大切にし続けるなら、きっとまた会えるじゃろう。」

そう言って、巨人は森の奥へと消えていきました。

その日からタケルは、山や川、森をいっそう大切にするようになりました。そして、時おり空を見上げては、あの巨人の声を思い出すのでした。


伝えたかったこと

巨大な自然への畏れと感謝

デイダラボッチの伝説は、ただの面白い話ではありません。

昔の人たちは、山や湖といった自然を「巨大な存在がつくったもの」と考え、それに「畏れ(おそれ)」と「感謝」の気持ちを持っていたのです。

たとえば、大きな山や深い湖を見たとき、「これは神さまや妖怪のしわざにちがいない」と思ったことでしょう。そして、「だから大事にしなければ」と感じていたのです。

目に見えない力を想像する力

ダイダラボッチのような妖怪は、実際には見えない存在です。

でも、それを「いるかもしれない」と思うことは、人間の想像力を育てる大きな力になりました。

たとえば、子どもたちに「ダイダラボッチが見ているよ」と言えば、山をけがしたり、自然を大切にしなかったりすることへのブレーキになったかもしれません。

 

現代では、「見えないもの」を信じるのは難しいことかもしれません。

でも、昔の人たちは目に見えない存在――たとえば神さま、妖怪、先祖の魂など――を信じてきました。

そうした考え方は、人と人とのつながりや、自然への敬意を育ててくれたのです。

ダイダラボッチの話を通して、「なんでもすぐに答えが出る世界」ではなく、「わからないことをわからないまま受け入れる世界」の大切さも感じてほしいと思います。

まとめ:ダイダラボッチ 山を動かし湖を作る?『もののけ姫』のあの巨大な影

  1. ダイダラボッチは日本各地に伝わる巨大な妖怪。
  2. 山や湖を作ったとされる伝説が多数ある。
  3. 地域によって名前や性格が少しずつ異なる。
  4. 優しい性格をもつという説もある。
  5. 実際の地形に足跡のようなものが残っている場所もある。
  6. 自然への畏れと感謝の気持ちが伝説の背景にある。
  7. ダイダラボッチは「自然の力の象徴」として描かれている。
  8. 昔話を通して、自然を大切にする心を伝えていた。
  9. 子どもの想像力を育てる妖怪でもある。
  10. 現代の環境問題へのヒントにもなる存在。

おわりに

ダイダラボッチという妖怪は、ただの「でっかい妖怪」ではありませんでした。

山を作ったり、湖を作ったりという伝説には、昔の人たちが自然をどれほど不思議に思い、そして大切にしていたかがよく表れています。

その姿は、時にこわく、時にやさしく、見る人によって印象が変わるところも魅力のひとつです。

 

私たちは、便利になった現代にいるからこそ、自然のありがたさや、見えないものへの敬意を忘れがちです。

そんなとき、ダイダラボッチのような存在を思い出すことは、とても大切なことだと思います。

ダイダラボッチは、巨大な体で自然を守り、そして時にいたずらをしながら、私たちに「自然とどう生きるか」を問いかけています。