「アマビエ」って知っていますか?
ここ最近、SNSなどで「疫病退散!」の願いを込めてアマビエのイラストを見かけた人も多いんじゃないでしょうか。
そう!この「あまり上手くない絵」のことです。

実はこの「あまり上手くない絵」になったのも理由があるんですよ。
そして、このアマビエ江戸時代から存在するれっきとした妖怪なんです。
今回はそんな「アマビエ」について紹介していきます。
アマビエはどんな見た目なのか? どんな力を持っているのか?
なんで最近また注目されるようになったのか?
この記事を読めば、アマビエについて友だちにちょっと自慢できるかも?
「アマビエってただのかわいいキャラじゃないんだ!」と驚くこと間違いなしです。
妖怪 アマビエとは
特徴
- 顔は人間、体は魚というハイブリッドボディ!
- 長い髪と、キラキラ光るウロコが特徴的
- 口から予言をする、不思議な力を持っている
- 病気や災いを退けるといわれる
- 出現するのは、海の中から!
- 「私の姿を描いて人々に見せよ」と頼んでくるちょっと変わった妖怪
プロフィール
項目 | 内容 |
---|---|
名前 | アマビエ |
種族 | 妖怪 |
生息地 | 海 |
特徴 | 人魚のような体、くちばしのような口 |
能力 | 未来を予言する、疫病退散 |
時代 | 江戸時代(1846年ごろ) |
性格 | 穏やかで親切、だけどちょっとミステリアス |
名言(?) | 「私の姿を写して人々に見せよ」 |
「アマビエ」について詳しく

アマビエは、今から約180年前の江戸時代に、熊本県の海辺に現れたと伝えられています。
その姿はなんとも不思議で──顔は人間、体は魚のようなウロコにおおわれ、くちばしのような口をしています。
そして、なんといっても目立つのが「長い髪」!
夜の海にふわりと浮かび上がるアマビエの姿は、まるで月光に照らされた幻想的な生き物だったことでしょう。
アマビエが現れたとき、海から上がってきて、こう言ったとされています。
「私は海中に住むアマビエという者だ。
これから6年間は豊作が続くが、同時に疫病も流行する。
もし病が広まったら、私の姿を写して人々に見せよ。」
──つまり、未来の「いいこと」と「わるいこと」を、同時に教えてくれたのです!
この「写して見せる」というアマビエの言葉は、すごく大事なポイント。
「写す(うつす)」という行為には、単なるコピー以上の意味がありました。
昔の人にとって、写し絵や模写は「そのものの力を宿す」神聖な行為だったのです。
アマビエの絵を配ることで、その力が病気を遠ざけてくれると信じられていました。
現代でいえば、ラッキーアイテムみたいなものですね!
また、アマビエの存在が再び注目されたのは、2020年ごろ。
世界中で大きな病気が流行したとき、「疫病退散」の願いを込めてSNSでアマビエのイラストがバズったのです!
きっとどこかで一度はアマビエを見かけたはず。
──つまり、アマビエは、昔から「希望」をもたらしてくれるシンボルだったんですね。
このアマビエの伝説は、日本全国に広まり、バリエーション豊かな「似た妖怪たち」も生まれました。
たとえば、アマビコ、ヤマビエ、クタベなども、アマビエと似たように疫病に関係する妖怪たちです。
でも、なぜこんなにも「人々に姿を見せる」ことにこだわったのか?
それは──当時、情報がすごく限られていたからです。
テレビもインターネットもない時代、人から人へ、絵を見せることは大事な「情報伝達手段」だったんですね。
豆知識
- 実はアマビエとよく間違えられる「アマビコ」は、ちょっと顔が怖い。
- 「アマビエ」は、公式な記録ではたった1度しか登場していない!(1846年、熊本)
- アマビエの名前の由来は、はっきりわかっていない。「海の女(アマ)」+「日枝(ヒエ)」説も。
- 一部では「半魚人」ではなく「神の使い」だと考えられている。
- 実は江戸時代にも「アマビエの絵」が流行っていた!
出現する場所
アマビエが現れたのは、現在の熊本県・八代市あたりの海です。
江戸時代の記録では、「肥後国(今の熊本県)」の海の中から、毎晩のように光る物体が現れるとウワサになっていました。
役人が調査に行ったところ、現れたのがアマビエだったとか。
ちなみに、八代市では今も「アマビエ伝説」を大事にしていて、アマビエをモチーフにしたグッズやイベントも行われています!
海の妖怪なのに、今ではすっかり「陸上デビュー」している感じですね(笑)
「アマビエ」が教えてくれること

ある日の物語
ある静かな夜、月の光が海を銀色に染めていた──。
八代の浜辺では、村人たちが不思議な光を見て、ざわざわと集まっていました。
「また光ったぞ!」
「なんだありゃ……幽霊か?」
そこに現れたのは、長い髪にウロコをまとった、神秘的な存在。
──そう、アマビエです。
「おお……まぶしい……」
目を細めながら見つめる村人たちに、アマビエはふわりと微笑みました。
「私はアマビエ。海の底よりやってきた者。これより、六年の間は豊作なれど、疫病流行すべし──。」
その声は、まるで風に乗るように、ふわりと耳に届きます。
「もし病が広まるならば、我が姿を写して人々に見せよ。
それが、病を退ける手だてとなろう──。」
村の若者・庄吉(しょうきち)は、震える手で絵を描きました。
ぎこちない線、だけどアマビエはにっこり笑い、
「その心、よし。」
そう言って、波の中へ静かに消えていきました。
庄吉はアマビエの絵を村中に配り、人々はそれを大切に掲げました。
そして、不思議なことに、疫病は村には大きく広がらなかったといいます。
──夜の海の底では、アマビエが静かに微笑んでいました。
「人の願いは、きっと届く」と信じて──。
伝えたかったこと
アマビエの伝説は、単なる不思議な妖怪話ではありません。
昔の人々は、自然災害や疫病といった「自分たちにはどうにもできないもの」に対して、強い不安を抱えていました。
でもその不安を、ただ怖がるだけではなく、「形にして伝え、乗り越えよう」としました。
それが「アマビエの絵を描いて広める」という行動だったのです。
「村の若者・庄吉(しょうきち)」のように、震える手で絵を描くので上手くないのは仕方ない!
──人間は、見えない不安にこそ弱いものです。
姿の見えない病気も、得体の知れない災害も、「名前をつけ、姿を与える」ことで、心が少しだけ強くなれたのかもしれません。
これは、現代の私たちにも通じる考え方です。
どんなに科学が進んでも、不安や恐怖はゼロにはなりません。
だけど、情報を集めたり、みんなで支え合ったり、「心を整理する」ことはできる。
アマビエの伝説は、そんな心の持ち方の知恵を、そっと教えてくれているのです。
だからこそ──
今もアマビエのイラストが拡散されるたびに、みんなが少しだけ元気になれるのかもしれませんね。
まとめ:【妖怪】アマビエは女神からの転生?人魚とは違った可愛さある…よね
- アマビエは江戸時代に登場した海の妖怪
- 顔は人間、体は魚、くちばし口が特徴
- 未来を予言し、疫病退散の力を持つと信じられている
- 2020年ごろ再注目され、SNSでも大人気
- アマビエは熊本県の海に現れた
- アマビエの姿を「写して広める」ことが重要だった
- 昔の人は「見えない不安」に立ち向かう知恵を持っていた
- アマビエには「希望」のシンボルとしての意味がある
- 実は公式な目撃記録は一度だけ!
- 似た妖怪たち(アマビコ、ヤマビエなど)も存在する
おわりに
アマビエという妖怪は、時代を超えて人々の心に寄り添ってきました。
ただのファンタジーの存在ではありません。
彼女(?)は、病や不安と戦うために、人々に知恵と勇気を与えたのです。
江戸時代の村人たちが、アマビエの姿を写して病気から身を守ろうとしたように
──現代の私たちも、困難なときこそ「情報を集め、知恵を使い、支え合う」ことが大切なのです。
そして、アマビエの伝説は教えてくれます。
「不安は、形にすれば、少しだけ優しくなる。」
みなさんも、もし何か不安なことがあったら、アマビエのように「目に見える形」にしてみてください。
ノートに書き出すもよし、誰かに話すもよし。きっと、心がすっと軽くなるはずです。
アマビエは、海の向こうで今も私たちを見守っているかもしれません。
月明かりの夜に、ふと海を見つめてみたら──
もしかしたら、ひらひらと髪をなびかせたアマビエが、あなたに手を振ってくれるかも!