川や池の近くでガサガサ音がする。

それはひょうすべかもしれません
ひょうすべは、見た目はちょっと変わっていて、性格もなかなかクセが強い妖怪です。
でも、ただの怖い存在じゃなくて、どこか憎めないところもあるんですよ。
この記事では、ひょうすべの正体や面白い特徴、伝説が残る場所、さらにある日のひょうすべのストーリーまで、笑いあり!発見あり!の内容でお届けします。
アニメ『BLEACH』の兵主部一兵衛。似てると言えば似てる・・かな?頭が。
その他にも『地獄先生ぬ~べ~』『遊戯王』『ゲゲゲの鬼太郎』などに登場するので、地味だけど割と人気キャラなんですよ!
妖怪 ひょうすべとは
特徴
- 頭がツルツルで、髪の毛は少しだけ
- カッパにそっくりだけど、もっと毛深い
- 水の中や湯屋(お風呂屋さん)に出てくる
- 意外とおしゃべりで、人間のまねをしたりする
- いたずら好きで、人の持ち物を勝手に使うことも
- でも、怒らせるとちょっとこわい一面も…
プロフィール
項目 | 内容 |
---|---|
名前 | ひょうすべ(兵主部、ひょんすべ とも呼ばれる) |
種族 | 妖怪(カッパの仲間) |
出現場所 | 川、池、温泉、湯屋など水のある場所 |
特徴 | 頭がツルツル、毛深い、いたずら好き |
性格 | 好奇心旺盛、まねっこ好き、時々短気 |
関連地域 | 九州地方(特に佐賀県・長崎県など) |
「ひょうすべ」について詳しく

ひょうすべってどんな妖怪?
ひょうすべは、一見するとカッパに似た姿をしています。
でもよく見ると、毛がモジャモジャと生えていて、なんともユニークな見た目をしています。
体にはたくさんの毛があり、頭のてっぺんだけツルツル。
まるでツルハゲのおじいさんが毛皮を着ているような感じです。
この妖怪は、川や池、さらには温泉やお風呂屋さん、つまり「水」がある場所に出てくると言われています。
特に九州の一部では、ひょうすべが湯屋に入り込んできて、石けんを使ったり、人のタオルで体をふいたりするという話もあります。
カッパの仲間だけど、ちょっと違う
ひょうすべはカッパの親戚のような存在とも言われています。
どちらも水の妖怪で、人にいたずらをすることが大好き。
ですが、カッパが「お皿(頭のくぼみ)」に水をたたえているのに対して、ひょうすべにはそういったお皿のような部分はありません。
その代わり、ひょうすべは毛深くて、人間の言葉をまねする能力を持っていると伝えられています。
特に九州地方では、ひょうすべが人の家に勝手に入ってきて、お風呂に入り、出るときには「ありがとう」と言って帰っていくという話もあります。
そのまねっこの上手さと図々しさに、笑ってしまいそうです。
怒らせるとちょっと怖い
でも、ひょうすべはただのおもしろ妖怪ではありません。
機嫌をそこねると、とたんに恐ろしい力を見せると言われています。
人間にいたずらをされたり、からかわれたりすると、病気をもたらしたり、不幸を呼びこんだりすると信じられてきました。
そのため、昔の人々は、ひょうすべに対して「おもてなし」をすることもあったそうです。
湯屋では、ひょうすべ専用の風呂桶やタオルを用意し、好きなように使わせることで、怒らせないように工夫していました。
まねっこ名人のひょうすべ
ひょうすべは、人の言葉や行動をよくまねることで知られています。
だれかが歌を歌っていると、それをまねて一緒に歌ったり、話している言葉をオウム返しのようにくり返したりします。
ときには、おじさんのしゃべり方をまねたり、子どものような声で「こんにちは」と話しかけてきたりすることもあるとか。
ひょうすべは妖怪というよりも、ちょっと変わったお隣さんのようにも思えてきますね。
なぜ「ひょうすべ」と呼ばれるのか?
ひょうすべという名前は、「兵主部(ひょうすべ)」という古い武士の名前からきているとも、「ひょんすべ」という方言の変化とも言われています。
地方によって呼び名が変わるのも、妖怪らしいミステリーの一つです。
豆知識
- 湯屋に入ったあとは、ちゃんと「ありがとう」と言って帰ることがある
- 人間と一緒にお風呂に入るのが好きなこともある
- ひょうすべが現れると、その湯屋が繁盛するという言い伝えもある
- 実は「ひょうすべ専用の桶」が用意されていた湯屋もあった
- 「ひょうすべ」を見たら病気になるという地域もあるが、「福をもたらす妖怪」として大事にされることもある
出現する場所
ひょうすべは、特に九州地方でよく語られる妖怪です。
中でも佐賀県や長崎県では、昔から温泉や湯屋に現れる妖怪として有名です。
これらの地域には、古くから温泉文化があり、ひょうすべは人間と同じようにその恩恵を受けにくる、ちょっと図々しいけど愛嬌のある存在として親しまれていました。
特に佐賀県嬉野(うれしの)温泉では、「ひょうすべが入ってきたら、その湯屋は繁盛する」と言われていたため、出入りを禁止するどころか、むしろ歓迎されることもあったそうです。
また、ひょうすべが使った桶やタオルを間違って使ってしまうと病気になる、なんて言い伝えもあって、人々は専用の道具を用意して、間違えないように注意していたようです。
「ひょうすべ」が教えてくれること

ある日の物語
佐賀県のある温泉町。まだ朝霧が立ちこめる静かな時間。
湯屋「湯の花屋」では、開店の準備が始まっていました。
番台に座る若い店主・誠(まこと)は、ふと湯舟の方から水音を聞きました。
「…ん?もう誰か入ってる?」
不思議に思いながらのぞきに行くと、そこには、毛むくじゃらで頭のてっぺんだけツルツルの小柄な生き物が、湯舟でぷかぷか浮かんでいました。
「お、おい!勝手に入っちゃだめだよ!」
すると、その生き物は驚いた様子もなく、にこっと笑って、
「ありがとぉ〜。いい湯じゃなぁ〜」
と、妙に渋い声で言いました。
「も、もしかして…ひょうすべ…?」
誠は思い出しました。子どもの頃、祖母から聞いた話。昔からこの湯屋には、たまに妖怪ひょうすべがやってくると。怒らせると病気になるけど、ちゃんと扱えば、福をもたらしてくれるんだと。
「えっと…よかったら、その桶使ってください。ひょうすべ様専用のやつです」
そう言って、棚の奥から古い木桶を出すと、ひょうすべはぱっと顔を輝かせました。
「おお、覚えとったか!この桶、ワシのお気に入りじゃ!」
ひょうすべは上機嫌で体を洗い始めました。石けんをぶくぶく泡立てたり、鼻歌を歌ったり、人間のしぐさをまねる様子に、誠は笑いがこみ上げてきます。
「湯屋も、これから忙しくなるじゃろうな。ワシが入ったからには、ええ湯じゃって評判になるぞ」
「まさか、ひょうすべが宣伝してくれるの?」
「うむ。ワシの入った湯屋は、なぜか評判がええんじゃ。不思議じゃろう?」
その言葉の通り、数日後から「湯の花屋」は大盛況。
人づてに「妖怪が入ったらしい」「不思議に効く湯だ」と噂が広がったのです。
それ以来、誠は朝一番に「ひょうすべ専用桶」を用意するようになりました。
そして時々、「ありがとぉ〜」という渋い声が、朝霧の中から聞こえてくるのだとか…。
伝えたかったこと
水の恵みとルールを守る大切さ
ひょうすべのような水辺の妖怪は、昔の人たちが「水の大切さ」や「共同の場でのマナー」を子どもたちに伝えるための存在でもありました。
川や池、温泉などは、みんなで使う大事な場所。
そこを汚したり、勝手なことをすると、「ひょうすべ」が怒って病気にさせるぞ、と注意されたのです。
また、湯屋に現れるという言い伝えは、他人とお風呂を共有する中で「清潔に使おう」「順番を守ろう」といったルールを自然と学ばせる効果もありました。
つまり、ひょうすべはただの妖怪ではなく、水のある場所を大切にすること、人と気持ちよく過ごすための知恵を伝えてくれる“教え役”でもあったのです。
まとめ:ひょうすべ 一兵衛に似てる?色んなアニメに登場する地味な人気キャラ
- 「ひょうすべ」はカッパの仲間のような水辺の妖怪
- 頭はツルツルで体は毛むくじゃら
- 湯屋や温泉に現れてお風呂を楽しむ
- まねっこが得意で、人間の言葉や動きを真似する
- 怒らせると病気や不幸をもたらすことがある
- 湯屋に現れると、その店が繁盛するという言い伝えも
- 九州地方、特に佐賀・長崎に伝説が多い
- ひょうすべ専用の桶やタオルを用意していた湯屋もある
- 妖怪だけど、ちょっとユーモラスで親しまれている
- 水や共有空間の大切さを伝える存在でもあった
おわりに
ひょうすべは、ちょっと変わった見た目と行動で笑ってしまうような妖怪ですが、昔の人たちはその存在を通して「水を大事にしよう」「マナーを守ろう」という大切なことを伝えていました。
湯屋でのんびり湯に浸かりながら人のまねをするひょうすべの姿は、なんだか私たち人間の姿にも似ていますよね。
この記事を読んで、妖怪という存在がただ怖いものではなく、人と自然がうまく暮らすための知恵や思いやりを教えてくれるものだと感じてもらえたならうれしいです。
次に温泉に入るとき、どこかにひょうすべがいるかも