山奥の空に、ひゅうっと黒い影が飛ぶとき。

それ烏天狗(からすてんぐ)かもしれません
カラスのようなくちばしを持ち、空を自由に飛び回る不思議な妖怪です。
でも、ただの鳥の妖怪じゃないんです。
剣術の達人だったり、人間に修行をさせたりする力を持っていたりと、その正体には驚きがいっぱい!
この記事では、そんな「烏天狗」の特徴や歴史、どんな場所に出てくるのかを分かりやすく、楽しく紹介していきます。
そして、ちょっぴり笑えるストーリーも用意しているので、お楽しみに!
もし「烏天狗って何者?」「カッコいいの? 怖いの?」と思っているなら、ぜひ最後まで読んでください。
読めばきっと、友達に話したくなるような、面白い豆知識も身につくはずですよ!

サッカーで有名な
ヤタガラスとは違うよ
烏天狗は山に住む妖怪で、くちばしと羽根を持ち心を読む力がある存在。
ヤタガラスは神の使いとされる三本足のカラスで、妖怪ではなく神聖な存在です。
妖怪 烏天狗(からすてんぐ)とは
特徴
- カラスのようなくちばしと黒い羽根を持っている
- 空を自由に飛ぶことができる
- 剣術の達人で、修行する者に教えることもある
- 目がとても良く、人の心も見抜けると言われている
- 山に住んでいて、人間を試すようなことをする
- いたずら好きだけど、正義感が強い一面もある
プロフィール
項目 | 内容 |
---|---|
名前 | 烏天狗(からすてんぐ) |
出身地 | 山の中、特に高い山や霊山 |
特徴 | 黒い羽根、くちばし、鋭い目、剣術の腕 |
性格 | 正義感が強いがいたずら好き |
能力 | 空を飛ぶ、剣術、幻術、人を試す力 |
烏天狗について詳しく

烏天狗ってどんな妖怪?
烏天狗(からすてんぐ)は、日本の山にすむとされる妖怪のひとりです。
名前の通り、「カラス」と「天狗」が合体したような姿をしています。
黒い羽根が生え、顔にはくちばしがついていて、まるで巨大なカラスのよう。
でも、ただのカラスじゃありません。
空を飛ぶだけでなく、人間の修行を手伝ったり、剣の腕もとても強かったりと、かなり多才な存在です。
かしこくて、ちょっとイタズラ好き?
烏天狗は、他の天狗たちと同じように、人間にちょっかいを出すのが好きです。
でも、ただの悪者ではありません。人間が悪いことをしていたら、こっそり注意したり、こらしめたりすることもあります。
正義感が強くて、自分なりの「ルール」で動いているんですね。
それと、すごく目が良くて、人の心の中まで見えるとも言われています。
だから、ウソをついたりズルをしたりしていると、すぐにバレてしまいますよ!
天狗界でもランクがある?
実は、天狗の世界には「階級」があるとされていて、烏天狗はその中でも下の方。
でも、「下っ端」とはいえ、すごく強いし頭もいい。
山伏(やまぶし)と呼ばれる修行者を導いたり、人間に大切なことを教えたりする役目を持つこともあるんです。
ちなみに、天狗の中で「大天狗」というリーダー的存在がいますが、烏天狗はその部下として動くことが多いそうです。
でも中には、「俺の方が上だ!」と思ってる烏天狗もいたりして、けっこうプライドは高めです。
なぜカラスの姿なの?
天狗はもともと、中国から伝わった「天狗(てんこう)」という火の玉のような怪物が、日本で独自に進化した姿です。
その中でも「カラス=空を飛ぶ=天に近い存在」という意味で、カラスの姿になったと言われています。
また、カラスは昔から「神様の使い」ともされる存在。
だから、ただの妖怪じゃなく、神秘的な力を持った存在として見られているんですね。
豆知識
- 実は「八咫烏(やたがらす)」と間違えられることがあるが、別の存在
- 昔の修行者は、本当に山で烏天狗に会ったと信じていた
- かっこいい武士のような姿で描かれることが多い
- 一部のマンガやゲームでは「イケメンキャラ」として登場することもある
- 烏天狗の名前を出すと、子どもがおとなしくなる…なんて地域も
出現する場所
烏天狗がよく登場するのは、日本各地の「山の霊場」です。
とくに有名なのは京都の「鞍馬山(くらまやま)」。
ここには天狗が住んでいるという伝説があり、登山道にも天狗の像が建てられています。
また、奈良県の「大峯山(おおみねさん)」も有名。
修験道(しゅげんどう)という山での修行をする人たちが通る山で、ここにも烏天狗の伝説があります。
そのほか、神奈川県の「丹沢山系(たんざわさんけい)」や、岩手県の「早池峰山(はやちねさん)」にも天狗にまつわる話があります。
つまり、山に登ったらもしかして…会えるかもしれませんよ!
烏天狗が教えてくれること

ある日の物語
鞍馬山のふもとに、小さな村がありました。
その村に住む少年、タケルは毎日山を見上げながら思っていました。
「いつか、あの山のてっぺんまで登ってみたい…でも、天狗が出るって聞いたしなあ…」
ある日、タケルは決心して山登りに出かけました。弁当と水筒、小さなお守りをポケットに入れて、ゆっくりと山道を登ります。
鳥の声、風の音、木の葉のざわめき…。最初は楽しかった登山も、だんだん足が疲れてきて、汗だくになります。
「はあ、もう無理かも…」と座り込んだその時。
「…おい、人間の子よ。そんなことであきらめるのか?」
突然、頭の上から声がしました。見上げると、そこには黒い羽根を広げた、不思議な姿の男が立っていたのです。くちばしのある顔、鋭い目、そして腰には立派な刀。
「お、おまえは…まさか、烏天狗!?」
「そうだ。だが安心しろ、いきなり食べたりはせん。ただ、お前が何のためにこの山を登っているのか、ちょっと気になっただけだ」
タケルは、夢を語りました。強くなりたい、怖がらずにやりたいことをやれる自分になりたい、と。
烏天狗は少し考え、にやりと笑いました。「それなら…ひとつ試してやろう。私と一緒に飛んでみるか?」
「えっ!? 飛ぶって、どうやって?」
すると、天狗は羽根をばさりと広げ、タケルを抱えて空へ舞い上がりました!
タケルはびっくりして叫びましたが、ふと下を見て気づきます。山がどんどん小さくなっていく。風を切る音。空を飛ぶという感覚。
「すごい! 本当に飛んでる!!」
「怖いか?」
「…ちょっとだけ。でも、それより楽しい!」
天狗は笑いました。「ならばよし。その気持ち、忘れるな」
そのままタケルは、天狗と一緒に山の頂上まで行きました。下山するときには、天狗の姿はもうどこにもありませんでした。
村に帰ったタケルは、以前よりも少しだけ自信に満ちた顔をしていました。
「なあ、タケル。山でなにかあったのか?」
と村人に聞かれても、彼はただ、空を見上げながら笑うだけでした。
伝えたかったこと
怖れと尊敬のちょうど真ん中
昔の人たちは、山という場所に「神聖な力がある」と感じていました。
そして、その山の中で出会うかもしれない不思議な存在、それが天狗です。
中でも烏天狗は、カラスの姿から「知恵」や「神秘」と結びついていました。
つまり烏天狗は、ただの恐ろしい存在ではなく、「正しいことをしないとバレてしまう」「努力すれば力を貸してくれる」ような存在として、尊敬もされていたのです。
「見えない存在に見られている」ことの意味
昔の人は、自然の中に「目に見えない存在」がいると考えていました。
だから、「山で悪いことをしたら、天狗に叱られるよ」と言われて育った子どもも多かったはずです。
これは、「誰も見ていないときでも、正しいことをしよう」という教えにつながります。
今の時代でも、スマホの裏やネットの中で、こっそり悪いことをする人がいますよね。
でも、「誰かが見ているかも…」と意識することで、自分を正せることもあるんです。
挑戦と成長の象徴
また、烏天狗は「空を飛ぶ」「人間に試練を与える」といった特徴から、挑戦する気持ちや成長を象徴しているとも考えられます。
山を登るのは大変。
でも、それを乗り越えることで、新しい景色や自分自身の成長がある。
そんな大切なことを、烏天狗は私たちに教えてくれているのかもしれません。
まとめ:烏天狗(からすてんぐ)人の心が読める驚きの能力 ヤタガラスとは違うよ!
- 烏天狗はカラスの姿をした天狗の妖怪
- 黒い羽根とくちばしを持ち、空を飛べる
- 剣術に優れ、人間に修行を授けることもある
- いたずら好きだけど、正義感も強い
- 目が鋭く、人の心を見抜く力があるとされる
- 主に山の中に現れ、特に霊山に伝説が多い
- 鞍馬山や大峯山などで多く語られている
- 昔の人は烏天狗を恐れ、同時に尊敬していた
- 「挑戦」「成長」「見られている意識」などの教訓が含まれている
- 烏天狗は今もマンガやゲームで人気のキャラでもある
おわりに
今回は「烏天狗」について、たっぷり紹介してきました。
黒い羽根を広げて空を飛ぶその姿は、ちょっと怖そうに見えて、実はとてもかしこくて正義感のある存在でしたね。
人間に試練を与えたり、修行を助けたりする烏天狗は、「努力すれば成長できる」「見えない誰かが見ているから、悪いことはやめよう」といった、大切なことを私たちに伝えているようです。
昔の人たちは、自然の中に神秘的な力があると信じていました。
そしてその力を象徴する存在が、天狗や烏天狗だったのです。
いつか山で空を見上げたとき、ひょっとしたら、あなたの頭上をスイッと飛んでいく黒い影に出会えるかもしれませんよ…?