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【妖怪】おしら様は千と千尋のモデルに!見た目ぜんぜん違うじゃん

家・町

「おしら様(おしらさま)」って聞いたことありますか?

どこかの神様のようでもあり、ちょっぴり不思議な雰囲気の名前ですよね。

実はこの「おしら様」、東北地方で大切にされてきたとってもユニークな妖怪(あるいは神様)なんです。

 

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皆さんが想像する

「おしら様」はこれですよね?

『千と千尋の神隠し』に登場する白くてふっくらした神様「おしら様」は、今から紹介する「おしら様」がモデルです。

どうみても大根ですよねぇ?

 

本物の見た目はちょっとびっくり。なんと、馬の頭と娘の頭をつけた布の人形なんです!

どうしてそんな姿をしているの? どんな力を持ってるの? 

それに「おしら様」が家にいると、どんないいことがあるの?そんな疑問を楽しく解き明かしていきます!

この記事では、おしら様の特徴やプロフィールから、なぜこの姿なのかの由来、出現する地域やちょっと驚くような豆知識、さらには「ある日の物語」まで、じっくりとお届けします。

読めば読むほど「おしら様」が好きになること間違いなし!

妖怪 おしら様(おしらさま)とは

特徴

  • 東北地方の家に祀られている、布でできた人形
  • 馬の頭と人間の頭がペアになっている
  • 農業や蚕(かいこ)にご利益があるとされている
  • 家の女性しか触れてはいけないという風習がある
  • 一年に一度、遊ばせる「おしらさま遊ばせ」という行事がある
  • 家の守り神、もしくは精霊として信仰されている
  • ジブリの映画『千と千尋の神隠し』にも登場する

プロフィール

項目内容
名前おしら様(おしらさま)
分類家の守り神・精霊的な妖怪
出身地東北地方(主に岩手県・青森県など)
姿馬の頭と娘の頭をつけた布製の人形
性格優しく、家族を守る存在
ご利益農業、養蚕、家内安全
特徴女性のみが世話をする、年1回の遊ばせ儀式

おしら様について詳しく

おしら様って何者?

おしら様は、主に東北地方の農家に伝わる「家の守り神」のような存在です。

だけど、見た目はちょっと妖怪っぽくて、桑の木の棒に馬や娘の頭がある不思議な人形。

それが布で作られていて、柱や天井から吊るされていることが多いです。

まるで見守ってくれているかのような雰囲気があります。

おしら様の由来と伝説

おしら様の最も有名な伝説は、柳田國男の『遠野物語』に記されています。

ある農家の娘が飼っていた馬と深い絆を結び、やがて恋仲となります。

しかし、それを知った父親は怒り、馬を殺してしまいます。

娘は悲しみのあまり馬の首にすがりつき、そのまま天に昇っていったとされています。

神様?妖怪?それとも精霊?

「おしら様」は神様としてまつられることもあるけれど、昔の人にとっては妖怪と神様の境目はあいまいなものでした。

怒らせると不思議なことが起きたり、病気になるとも言われていたので、「こわいけど大事な存在」として大切にされていたんですね。

どうやってまつるの?

おしら様は、ふだんは天井から吊るされているだけですが、特別な日には「おしら祭り」と呼ばれる儀式が行われます。

家の人が人形をそっと手に取り、着物を着せ替えたり、きれいに拭いたりします。

そして「おしら遊ばせ」という祈りをささげて、家族の幸せや農作物の豊作を願います。

怒らせるとどうなるの?

おしら様には「見せてはいけない」「持ち出してはいけない」などのルールがあり、これを破ると不思議なことが起こると信じられています。

たとえば、「知らない人に見せたら病気になった」とか「外に出したら家が火事になった」という話もあるんです。

これは「家族の中だけで大切にしよう」という教えがこめられているのかもしれません。

夢に出てくることも?

特に養蚕が盛んな地域では、蚕の神として大切にされています。

昔の人は、おしら様が夢に現れて「蚕が病気になるから気をつけて」などとメッセージをくれると信じていました。

まるで家族の一員のように、話しかけてくれる存在だったんですね。

今でもおばあちゃんたちの中には、「おしら様の夢を見た」と話す人もいるそうですよ。

豆知識

  • おしら様は一対(二つセット)でまつられることが多い
  • 昔の農家では、おしら様専用の小さな部屋をつくる家もあった
  • 人形の着物は、季節ごとに着替えさせる風習がある
  • 夢で見たおしら様の言葉は「本当になる」と信じられていた
  • 近くの人が亡くなると、おしら様が悲しんで揺れるという言い伝えもある

出現する場所

おしら様は、特に青森県、岩手県、秋田県などの東北地方で多く伝わっています。

中でも農業や養蚕をしていた村ではよく見られました。

家の柱や天井にぶら下がっていて、家の神棚の近くに置かれることが多かったです。

昔の農家では、おしら様をとても大事にしていて、月に一度や年に一度、「おしら祭り」をして着物を着せたり、願いごとを伝える風習がありました。

今ではあまり見かけなくなりましたが、博物館などでその姿を見ることができることもあります。


おしら様が教えてくれること

ある日の物語

ナオは小さな山あいの村に住む女の子。家は代々続く農家で、古い柱には、いつも静かに揺れている二つの布の人形が吊るされていました。

ひとつは赤い着物を着て、もうひとつは緑の帯を結んでいました。それが「おしら様」だと、おばあちゃんは言っていました。

「これは家を守ってくれる神様だよ。大事にするんだよ。でも、よその人には見せちゃダメ」

ナオは毎日そのおしら様に、「今日も無事に過ごせますように」と小さくお祈りしていました。

ある日のことです。外では激しい風が吹き、家の戸がガタガタと音を立てていました。

家族は心配そうに窓を見ていましたが、そのとき、おばあちゃんが倒れてしまいました。

病院は遠く、電話も通じず、ナオはとても不安になりました。

その夜、ナオは夢を見ました。おしら様が、ふわりとした声でこう言いました。

「心配いらない。風が止まったら、山の祠(ほこら)へ行きなさい。そこに答えがある」

朝になって風はぴたりとやみました。ナオはひとりで山へ向かいました。おしら様の言葉を信じて。

祠にたどり着くと、そこには小さな紙に包まれた草がありました。

「これは“千年草”。煎じて飲ませなさい」と書いてあります。ナオはそれを持って家に戻り、おばあちゃんに飲ませました。

すると、不思議なことにおばあちゃんはゆっくりと目を覚まし、やさしく笑いました。

「おしら様が助けてくれたんだねぇ」

それからというもの、ナオはもっともっとおしら様を大事にするようになりました。

そして毎月一度、「おしら様、ありがとう」と言って着物を取りかえ、きれいに整えてあげるようになりました。

ナオの家には今も、おしら様がやさしく揺れています。今日もきっと、静かに家族を見守っているのでしょう。


伝えたかったこと

おしら様の伝説や信仰を通じて、昔の人々は家族の絆や自然との共生の大切さを伝えたかったのではないでしょうか。

特に、農業や養蚕といった自然の恵みに感謝し、それを守るための教訓が込められているように感じられます。

 

現代社会では、家族や地域のつながりが希薄になりがちですが、おしら様の信仰は、そうしたつながりの大切さを再認識させてくれます。

また、自然との共生や感謝の心を忘れずに生活することの重要性も教えてくれます。

私たちも、おしら様の教えを心に留め、日々の生活に活かしていきたいものです。


まとめ:おしら様は千と千尋のモデルに!見た目ぜんぜん違うじゃん

  • おしら様は、東北地方で信仰される家の神様。
  • 養蚕や農業、家族の守護神として祀られている。
  • 伝説では、娘と馬の悲しい物語が語られている。
  • 御神体は、桑の木で作られた人形で、女性が世話をする。
  • 年に一度、「おしらさま遊ばせ」という儀式が行われる。
  • 青森県や岩手県など、東北地方に広く信仰が残っている。
  • スタジオジブリの映画『千と千尋の神隠し』にも登場する。

おわりに

おしら様は、ただの不思議な人形ではありません。

家を守り、農業や養蚕を支える大切な存在として、昔から大事にされてきました。

馬の頭や蚕の形をしているのも、それぞれが人々の暮らしに深くかかわっていたからこそです。

「さわっちゃいけない」「見せちゃいけない」というルールは、一見こわそうですが、それは「信じる心」と「感謝する心」を守るためにあったのかもしれません。

そして、おしら様は、夢に現れたり、家族を見守ったりと、いつもそっと寄り添ってくれるやさしい存在です。

 

今回の記事を通して、昔の人たちがどんな思いでおしら様を大切にしていたのか、少しでも伝わったらうれしいです。

今の時代だからこそ、大切なものをていねいに扱い、目に見えないつながりを感じることが大事なのかもしれませんね。