「ドゴォォォン!!!」と空から大きな音が聞こえたら、あなたはどうしますか?
まさかUFO?いやいや、もしかしたらそれ、「雷獣(らいじゅう)」かもしれません。

雷と獣
なんか想像つきますね!
雷獣は昔の人が雷とともにやってくると信じた、ちょっと不思議でちょっと怖い妖怪です。
でもその姿、意外とカワイイ?いや、やっぱりコワイ?
なんと見た目はタヌキやネコ、イタチにも見えるっていうから、ますます謎が深まりますよね。
この記事では、そんな雷獣の特徴や性格、どんな場所に現れるのか、さらにある日のできごとを描いたストーリーまで、まるっと紹介していきます!
雷と妖怪って、どんな関係があるの?
昔の人は何をそんなに恐れていたの?そんな疑問にも答えちゃいます!
読めばきっと、「雷が鳴ったら空を見上げて雷獣を探したくなる」そんな気持ちになるはずです。
妖怪 雷獣(らいじゅう)とは
特徴
- 雷が鳴ると一緒に落ちてくると言われる、空からの訪問者!
- 姿はネコやイタチ、タヌキに似ていて、もふもふしてそうで意外とかわいい(けど電気ビリビリ)。
- 落ちたところは木が焼けたり、人が気絶したりと、とにかく衝撃がすごい!
- 体の中に「雷」を宿しているというウワサも。
- 時には神さまの使いともされ、悪さをせずに守ってくれることもあるらしい。
- 落ちた雷獣を見つけると、珍しいから高く売れるという伝説も。
プロフィール
項目 | 内容 |
---|---|
名前 | 雷獣(らいじゅう) |
性格 | 激しくて気まぐれ、ときどきフレンドリー |
好きなこと | 雷と一緒に空をかけまわること |
嫌いなこと | 静電気のない静かな天気 |
出現場所 | 雷が鳴る山や森、田んぼなど |
見た目 | ネコ・タヌキ・イタチ風、でも電気をまとっている |
雷獣について詳しく

雷とともにあらわれる妖怪
雷獣(らいじゅう)は、雷が鳴るとともに空から地上に落ちてくるといわれる、
非常に不思議な妖怪です。
その名前の通り、「雷(らい)」+「獣(じゅう)」で、まさに“雷のけもの”。
昔の人たちは、雷の音や稲妻があまりに怖く、理由がわからなかったため、「空に住む獣が落ちてきた」と考えたのです。
実際に、雷が落ちたあとに「焦げたにおいがする」「木が裂けた」「煙が出た」などの現象を見た人が、「これは雷獣が暴れたにちがいない!」と信じたのです。
姿はまるでもふもふ?でも超危険!
雷獣の姿は、地方によってさまざまに伝えられています。
ある場所ではネコ、またある場所ではタヌキやイタチのような見た目をしているといわれています。
つまり、雷獣はもふもふしててかわいらしい動物のような見た目。
でも、だからといって油断は禁物!
なんと、雷獣の体からはビリビリとした電気が出ているともいわれていて、近づいたら感電しちゃうかも!
実は神さまの使い?
雷獣は、ただのこわい妖怪ではありません。
むしろ、雷神さま(雷を司る神さま)の使いとして、大切にされていたという説もあるんです。
雷は昔から「天の力」「神の力」と考えられていて、その力を伝える存在として雷獣がいたのかもしれません。
つまり、雷獣は神さまのメッセンジャー!
でも、機嫌が悪いと雷を落としてくるので、やっぱり怖い存在であることには変わりありません。
見つけたらラッキー?それとも…
雷獣が落ちてきたあと、その体を見つけた人は「これは貴重だ!」と喜んだという伝説もあります。
なぜなら雷獣はとても珍しい存在で、薬になるとか、お金持ちになれるとか、いろんなご利益(りやく)があると信じられていたからです。
とはいえ、落ちてくる時のド迫力は本物。家の屋根に落ちたら大パニックまちがいなし!
豆知識
- 実は「雷獣=ハクビシン」や「テン」だったという説もあり、昔の人が正体を知らなかった動物を雷と結びつけた可能性があります。
- 江戸時代の本には、「雷獣を捕まえて煮ると百病に効く」と書かれていたことも。
- 「雷獣が寝ている間は雷が鳴らない」という伝説もあり、寝かせておくためにお香をたく人もいたそうです。
- 中国や他の国でも似たような雷の獣の話があり、雷に動物の姿を重ねるのは世界共通の感覚かもしれません。
- 科学が発展していない時代、人々が自然の恐ろしさを「生きもの」にたとえて理解しようとしていた例の一つです。
出現する場所
雷獣は、その名の通り「雷」が鳴るときに現れる妖怪です。
だから、雷が多い地域や、空がよく光る山や森、田んぼなどに現れると伝えられています。
木がたくさんある山の中では、雷が木に落ちやすいため、「雷獣が落ちてきた!」という目撃情報(?)が昔からありました。
広い田んぼの真ん中に雷が落ちると、そこに「雷獣の足あとがあった!」なんて話も残っています。
特に「長野県」や「岐阜県」などの山が多い地域では、雷獣の話がたくさん残っています。これらの地方では、雷の多い気候と自然の環境が、雷獣という存在を生んだとも言えるでしょう。
雷獣が教えてくれること

ある日の物語
ある夏の日の午後。空はどんよりと暗く、遠くからゴロゴロという音が響いていました。
ヒロという少年は、雷が苦手。でも今日は、なぜか「雷の正体を見てみたい」と思ったのです。
「おばあちゃんが言ってたな…“雷獣”ってやつが空から落ちてくるって。ほんとにいるのかな…?」
ヒロは家の裏山にある神社へ向かいました。雷神さまをまつってある小さな社。
そこに行けば、何かわかる気がしたのです。
「ドゴーン!!」
雷が空を割ったような音とともに、ヒロの目の前にドスンッと何かが落ちました。
こわごわ近づいてみると、そこにいたのは…
「うにゃあ…」
もふもふの毛、ピカッと光る目、しっぽがふくらんで電気がビリビリ!
「ら、雷獣だああああ!!!」
雷獣は、ネコのようでネコじゃない。イタチのようで、でもしっぽに雷の形が走っている。な
により、体からかすかに「ジジジ…」という音がしていて、触るとビリっとしそう!
「お前、だれ?」とヒロが聞くと、雷獣は目をしょぼしょぼさせて言いました。
「わしは雷獣。ちょっと寝ぼけて落っこちたんじゃ…」
なんと雷獣は、空の雲の中で雷神さまのそばに住んでいて、ときどきうっかり落ちてくるんだとか。
「でもな、わしが落ちる場所は、雷から守る場所でもあるんじゃ。おぬしがここに来たのは、雷を恐れず知ろうとしたからじゃな。えらいぞ、ヒロ!」
雷獣はそう言って、ヒロの頭に前足をチョンと乗せました。すると不思議!ヒロの中の怖さがスーッと消えていきました。
「また会える?」とヒロが聞くと、雷獣は笑って言いました。
「雷の音がしたら、空を見上げるんじゃぞ。わしはいつもそこにおるからな!」
バチッという音とともに雷獣は空へ戻っていき、ヒロはぽかんと空を見上げました。雷はもう、ちっとも怖くなくなっていたのです。
伝えたかったこと
自然のこわさを「形」にして伝える
昔の人たちは、自然の力にとても敏感でした。
雷は音も大きく、空が光るし、時には命をうばうこともあるほどのもの。
そんな自然の力を、見えないままにしておくのがこわかったのでしょう。だからこそ、「雷獣」という姿あるものにして、「あいつが落ちてくるから注意しよう」と考えたのです。
これは、人々が自然のこわさを“見えるかたち”にして、伝えようとした方法の一つです。
怖さの中にある「教え」
雷獣はこわいけれど、「雷が鳴っているときに外に出ると危ないよ」という警告の意味もあったと思われます。
雷が鳴ったら、木の下に入らない、広い場所に立たない――そんな教えを守らせるために、「雷獣が来るぞ」と言えば子どもたちも家に入ったでしょう。
つまり、雷獣は「守り神」であり、「教えの妖怪」でもあったのです。
まとめ:雷獣(らいじゅう)ネコ・イタチ・タヌキ ビリビリ伝説の主役は?
- 雷獣は、雷とともに空から落ちてくると信じられた妖怪。
- 姿はネコやイタチ、タヌキに似ていて、電気をまとっている。
- 雷の音や雷撃のこわさを、「雷獣」という形にして説明した。
- 落ちた場所は焼けたり焦げたりするので「雷獣の足あと」とされた。
- 雷神の使いとされることもあり、神聖な存在と考えられていた。
- 昔の人は雷獣を見つけると「薬になる」などと言って珍重した。
- 特に山や森、田んぼなどに出現したという伝説が多い。
- 雷獣は教えの存在でもあり、「雷の時は外に出るな」という意味がある。
- 今の時代にも、「自然の力をおそれる心」の大切さを教えてくれる。
- 妖怪とは、昔の人が自然を理解するための知恵だった。
おわりに
雷獣という妖怪は、雷とともに空から落ちてくる不思議でちょっとかわいい、でもちょっとこわい存在でした。
昔の人たちは、自然のこわさを「妖怪」という姿にすることで、理解しやすくし、子どもたちや村人に大切なことを伝えていました。
「雷獣が来るから、外に出ちゃダメ!」――そう言えば、怖がりながらもみんなが安全に過ごせたんですね。
今のように科学が発達した時代でも、自然は思い通りにはなりません。
雷獣の話は、「自然をおそれ、そして大切にしよう」という昔の人の知恵が詰まっています。
もしかすると、雷がゴロゴロ鳴ったとき、あなたのそばにも雷獣が空から見ているかもしれませんよ?
い。